2023年10月24日火曜日

連絡先 2023/10/24

もはや何かある度に更新される記事です。僕(牛野ホルモン/Ushino Hormon)がtwitter以外に開設している連絡先の一覧。

 

Bluesky.social(2023/10/24追加)

縁あってついにアカウントを開設することが出来ました。まともな供給の殆どを海外勢に頼っているケモナー界隈では、代替SNSはBluesky一強です。フラグさえ設定しておけばエロ絵をぽんぽんとTLに投げられて、TLでも勝手にサムネイルをぼかされたり、投稿をフォールドされたりしないのが最大の強みです。エロ絵の確認作業が素早く行えるのは本当に楽。

ハッシュタグ機能自体は未実装ですが、投稿の検索は行えるので疑似的にハッシュタグは使えますし、有志作成の投稿フィルタを使えばエロ絵がどんどこリストに流れてくるのも最高です。

僕の活用としては、勿論どんどこエロ絵を流す用途を予定しています。何とは言いませんが無くなる予定。

僕と何かしらのSNS等で相互フォローだったりする方は、一声かけていただければ招待コードをお分けいたします。余剰があればですが。


(Misskey.io)

色々とけちょんけちょんにしてきましたが、今現在twitter以外に牛野が一番出没しているのは実際ここです。(2023/10/24追記:Blueskyアカウント開設に伴い、殆ど機能を停止させるつもりです。僕はムラ社会の同調圧力が本当に嫌いなので。)本当は使いたくないし、カスタム絵文字によるリアクションも嫌いなので無効にさせてもらってます。水が合わないので投稿数自体も控えめです。

 

Pawoo

Pawooです。今のところ英語でのみ更新しています。気分です。MisskeyやMastodonなどのActivityPub規格に則ったSNSは相互にpostを取得できるのが利点ですが、こちらのアカウントからはMisskey.ioサーバーをブロックしています。こちらが更新される場合は同等の内容がMisskey.ioにも投稿されるはずなので、それぞれのサーバーで確認してほしいためです。(2023/10/24追記:現状ではPawooの更新自体を終了するつもりはありませんが、Misskey.ioが今後更新されるかは分かりません。)Mastodon系のサーバーは特にブロックしていないので、こちらをフォローする場合はMastodon系サーバーに開設したアカウントを使用してください。


pixivニジエ

前回の記事で書いた通り、こちらの二つのサイトにも一応アカウントがあります。見たり見なかったりしてください。


USHINO ARCHIVES

ここです。基本的には割としっかりした絵を描いたときに更新する予定です。その他にもこのような連絡事項やちょっとした長文なんかを書くこともあると思います。雑記帳というほど大雑把なものではありませんが、pixiv・ニジエよりは運用に幅がある、くらいの抑えでOKです。

 

毎回毎回こういう記事を書くのもそれなりに手間なので、さっさとどうにかしてほしいもんです。

2023年9月20日水曜日

読書感想文 23/9/20

 『おはしさま 連鎖する怪談』(三津田信三/薛西斯/夜透紫/瀟湘神/陳浩基、光文社)2021年

65/100

近年、汎東アジアでとみに盛り上がりを見せるホラー小説。書店に向かえば、海外ホラー作品の著者に漢字人名を見ることも多くなったように思う。本書は日台中の作家達が箸にまつわる同じ怪異を軸にして結びついたリレー小説である。

僕は三津田信三のホラー小説のファンであるため、本書も(それほど三津田信三本人のアカウントなどで熱心に宣伝されていた記憶はないのだが)刊行とほぼ同時に求めた。が、今の今まで積んでいた。それはひとえに、僕がアジア圏の作家にほぼ馴染みがなかったためである。

本邦は一応漢字圏の一角をなしており、魔改造され似ても似つかないものとなってはいるが、漢字の読みの一部などに大陸文化の一端を残している。しかしながら、その残し方こそが問題なのだ。例えば「陳」という苗字は日本人が読めば「ちん」と発音されるが、より原語に近い音に転写すれば「チェン」である。また「張」という苗字は「ちょう」ないし少し馴染みがある人であれば「チャン」と発音するかもしれないが、実際には「ヂャン」という音のほうが近い。一方「文」の読みは「ぶん」ではなく「ウェン」である。

つまり、我々が理解しやすい"音読み"ではない、それでいて少し似ている読みの名が作中にゴロゴロしているのが問題なのだ。僕もかつて親や年嵩の知り合いなどが「横文字の名前は覚えられない」と言っているのを見て「何を馬鹿げたことを」と笑っていたものだが、これだけアジア圏の文学が勃興した今となっては彼らの言いたいことが分かってしまう。僕も中国語で表記された名前の読みはちょっと覚えられない。

そんなこともあって、僕は何となくアジア圏の作家達の著作を敬遠してきた。この度積読を崩すことになったのも全くの気まぐれである。本棚でたまたま目についたから読んだだけの話だ。

本書を勢いで買ったはいいもののほぼ目を通していなかった僕は、手に取ってみて初めて著者に陳浩基の名があることに気付いた。言うまでもなく、『世界を売った男』(文藝春秋、2012)で島田荘司推理小説賞を獲った小説家である。生憎とこちらも未読だが、流石に僕も名前くらいは知っている。どうやらこのリレー小説のアンカーを務めるらしく、なら…と少し期待して読み始めた。なお、上の著者名は掲載順に表記している。


リードオフマンは我らが日本代表、三津田信三である。

行きずりの人間から民俗学的な湿度のある怪談を採話する…という、短編三津田ホラーの定石とも言える作りで、あとを走る作家達に良質な餌をばらまくだけばらまき、これもまた三津田ホラーとは不可分と言っていい「家」をモチーフにした恐怖を描いて話は終わる。説明不足にならない程度にサゲもついており、これもまたお約束とも言える「ホラー小説家らしき存在である"僕"による怪異への考察」も開陳されるため、三津田ホラーのファンには十分に満足出来る仕上がりだ。

撒き餌がメインとも言えるポジションであるので、描かれる恐怖はやや小粒であり、小品と言ってもよい小ぢんまりとした作品だが、魅力的な謎は提示された。あとはこれを後続がどう料理するかである。


二番走者は台湾代表、薛西斯

完全に怪異譚であった第一章とは異なり、長めの尺を用いてかなりミステリ寄りの仕掛けが丹念に施された作品だ(ちなみにこのリレー企画はそれぞれの小説に2万字までという縛りがあったそうだが、それを守っているのは三津田信三だけである)。

台湾ホラーと言えば、近年ではインディーホラーゲーム『返校』や『還願』が(その後の顛末まで含めて)話題になったが、そのようなものに既に触れており、基本的な素地のある人間以外にはやや理解が難しいのではないかと思われた。少なくとも台湾の学校制度や習俗をある程度知っていないと、少し取っ付きにくい描写がある。

ホラー小説として読んだ場合には恐怖値はかなり低く、どちらかと言えば所謂「ヒトコワ」系の話であり、構成の妙を味わうべき作品だと感じた。


三番走者は香港代表の夜透紫

土着習俗の色が濃かった第二章とはまた打って変わり、現代的なガジェットと現代的な舞台設定、そして現代的な動機が設定されている。要は、本章もかなりミステリ寄りだということだ。むしろその色は第二章よりも濃いかもしれない。オチにだけ使われたホラー的要素に目をつむれば、十分フーダニットものとして成立する作りである。何と本章では、箸は凶器として登場するのだから。

燻製ニシンも十分に張り巡らされており、二転三転する謎解きはそれだけで爽快感がある。反面、恐怖や怪異の演出はフレーバー的に用いられるに留まっており、ホラー小説としては物足りない。また、香港の地名や当地にまつわる都市伝説といったものが重要な意味を成す作りのため、僕のように名前を覚えられない読者は話についていくのに少し苦労するだろう。

 

四番走者はこちらも台湾代表、 瀟湘神

本書はこの第四章が問題である。

構成はかなり卓抜で、今までの作家達がちりばめてきた要素を巧みに伏線として生かしながら、この章の中だけでもどんでん返しを用意している。作りは本当にうまいのだ。こちらもミステリ寄りの仕立てになっているが、ここまでの三章の「ホラー+ミステリ+ミステリ」がひとつのホラー小説として完全にまとまり、背骨が通ってピンと張るような神がかり的な作りである。日本のホラー小説で例を引けば小野不由美『残穢』や三津田信三『どこの家にも怖いものはいる』のような、圧倒的なカタルシスが約束されるのがこの章だ。

しかしながら、伏線の回収を焦るあまりか、ややご都合主義的にも思えるような展開であることは否めない。ただし、そのご都合主義的展開も含めて「輪が閉じる」ことを意識して書かれている可能性はある。

加えて、ある種のイデオロギー小説的とでも言えばよいのか、"セイジのニオイ"がプンプンしているのが問題だ。

これは僕の持論だが、イデオロギーに染まらないといい小説が書けないのなら、その作家は二流である。イデオロギーに染まるなとも、イデオロギーを小説で開陳するなとも言わないが、場は選ぶべきである。特に本書はリレー小説という形式であるのだから、このイデオロギー開陳癖はどうにかしてほしかった。

また、どう読んでも本書執筆者のうちの一人としか思えない人物を作中に登場させ、その「意見」としてイデオロギーを補強する主張をさせているのもあまり褒められない部分である。それは俗に「イタコ芸」とか「他人の褌で相撲を取る」とかいわれるやつだ。

しかしながら、この"イデオロギー小説しぐさ"が本章のかなり重要な構造を成していることは動かしがたい事実であり、イデオロギーなしにはカタルシスはおろか、本章は成立すら危うくなってしまう。

これもまた僕の持論として、常々ホラー小説には娯楽であってほしいと思っている。恐怖を娯楽として楽しめるのは、人間が人間だからである。野生の動物は恐怖から逃避するか、戦うかの行動を選ぶだけであって楽しむということはしない。そういう意味で、ホラー小説は人類が生み出したものの中でも至上の娯楽のうちの一つなのである。そこに賛否両論のイデオロギーを織り込んでしまうのには、僕は慎重であってほしいと思う。

したがって、このイデオロギー臭さが許容できるかどうかが本書の評価の大きな分岐点になるだろう。僕は実際にはイデオロギー臭さよりもイタコ芸のほうが許容しがたく、そういった意味で本章をあまり評価できなかった。読書体験としてはかなり良質な部類なのだけど。

 

アンカーは押しも押されもしない香港の大家、陳浩基である。

さてその実力は…と勢い込んで読み始めた本章は、前走者がイデオロギー小説を書いてしまったので、何とか必死に娯楽小説に戻そうとしている…というような痛々しさすら覚えるエンターテインメント感に溢れた小説であった。

本書の話は既に第四章で完全にオチているため、著者本人もあとがきで書いているように、何を書いたところで蛇足になってしまう。だからこそ肩ひじ張らない娯楽小説で重箱の隅をつつくような整合性を取ったのだろうが、その作りというのが…ミステリとしてもホラーとしても少々アンフェアと言わざるを得ない。第四章までが『リング』だとすれば、第五章は『らせん』である。

分かる人には分かる例えはともかく、本章はかなりラノベっぽいとでも言おうか、ここまでの重たい空気を打破するような、深刻さの足りない描写が続くので、焼肉の後に口直しのバニラアイスクリームを食べているような気分になる。それも、飛びきり甘いやつをだ。

面白くないとは言わない。言わないのだが、この手の話の作りはそれこそ鈴木光司『リング』以後にパルプフィクションではよく見られたものであり、それ以前までは禁じ手であった。『リング』が大々的に禁じ手を破ったために模倣され、結果としてチープになってしまったのである。そういう話なのだ、これは。

一応、もう一度本章を最初から読み返したくなるような仕掛けがないでもないが、読み返さなかったからといってどうこうなるようなものでもないのであまり評価は出来ない。

重ねて書くが、面白くないわけではないのだ。それこそ焼肉の後の口直しに出てきたバニラアイスクリームを頑なに拒んで食べない人などいないし、かといってわざわざお代わりするような人もいない。そういう仕上がりである。ちょっと期待をしすぎた可能性は否めない。


本書は最も出来のいい部分と最も評価が分かれそうな部分が表裏一体であり、それ故評価が難しい。正直に言えば、僕はもっとホラーじみた話を期待していた側面もあり(それは帯の宣伝惹句が悪いともいえる)、第一章の三津田信三の怪異譚にあるような黒い霧の如き不穏な恐怖をもっと得ようと思ったら、やはり本邦の作家に求めるべきなのではないか、という所感が補強されてしまった。

読書体験としては悪くない。だが、全然怖くない。そこが問題なのである。一流の食材を使って作った、ごく庶民的な家庭料理を味わっているようなちぐはぐさが付きまとう。その上、口直しのバニラアイスクリームはべったり甘い。

このような微妙な点数になってしまうのも詮無きことである。

2023年4月15日土曜日

Misskey.ioの何が面白いのか1周回って分からなくなってきた話

 (2023/04/16追記)

さて、以前の記事でも書いたように、ロガーサービスが使えなくなった関係でMisskey.ioにライフログを移行していこうと思ってから、丸2週間が経った。

流石に2週間も覗いていると、どんなウェブサービスでもなんとなくの傾向というのはつかめてくる。.ioもなんとなく傾向が見えてきた…というか、うんざりしてきたので、ここで書き留めておくことにする。

 

前提

Misskeyは地球で生まれた分散マイクロブログSNS(原文ママ)である。分散型SNSの共通規格であるActivityPubに則って開発されているので、Mastodonなど他の分散型SNS・サーバーと互換性があり、相互にフォローが可能であることが特徴だ。

他の分散型SNSプラットフォームが大方そうであるように、Misskeyも数多のサーバーを抱えている。以下、単に「Misskey」と書いたときはMisskeyプラットフォーム全体に適用される話、「Misskey.io」または「.io」と書いたときはMisskey.ioサーバーにだけ適用される話だとご理解されたい。



リアクションシューティング

Misskeyにはリアクションシューティングという機能がある。これはDiscordやSlackにも同様の機能がある*1ので知っている人は知っているだろうが、postを見たユーザーが絵文字を貼り付けられる機能だ。twitterでも話題になった「レターパックで現金送れ」の応酬は、この機能を使って行われている。

この機能の特徴は、FBの「いいね」や、twitterの「お気に入り」ないし「いいね」などの定型文的な反応より、ずっと多くの文脈を持たせた反応が出来るところにある。例えば「おはようございます」というpostには、ほぼ確実に「おはみすきー!」*2などといったリアクションシューティングが行われる。

一見すると、これは従前のSNSよりも繊細な反応が行えて文脈の読み違いによる齟齬を防げるように思えるが、実際にはそうでもない。ユーザーによってデザインされた所謂「カスタム絵文字」はものすごい量が登録されており、現在進行形で増え続けているが、それでも速い時間帯には秒間数十postを数えるMisskey.ioのpostのすべてに反応するには十分ではない。というより、中途半端に繊細なのでかえって読み違いを誘発するのだ。

真意の読めない組み文字による反応は、ざっくりとした「いいね」より、半端に意図が垣間見えるため質が悪い。僕のように猜疑心の強い人間は、ダイレクトな文章を送られると委縮してしまう。実際に僕が一番最初にしたpostについたリアクションをご覧いただきたい。

こんなものを登録して数分の人間に送る*3精神は到底理解出来ない。これが面白いと思ってるのなら尚更だ。無論、僕は最初のpostで何かしら規約違反を犯した記憶はない。規約は3回読み返したので間違いはないはずである。

 

 

ルールの不透明さ

以前の記事でも書いたように、Misskey.ioはNSFWコンテンツ、所謂エロ絵に関して、他のサーバーに比べると投稿規則が緩い。.ioにおけるNSFWコンテンツの投稿規則は、4月14日現在「修正を行うこと」「2次元であること」「画像そのものにNSFWフラグを設定すること」だけである。

その一方で、MisskeyはActivityPubプロトコルを共有するMastodonなどの他SNSとは違い、CW(コンテンツ警告)を設定されたpostに添付された画像は完全に格納され、ぼかされたサムネイルすら表示されない。つまりCWが設定されていると、ローカルタイムライン*4上ではほぼ目立たず、速い流れの中で埋没していくのである。

こういった側面を持っているサービスながら、一部のユーザーはNSFWコンテンツの投稿に際してCWを設定することを強く求めている。

繰り返すが、.io運営が公式に定めている最低限のルールは「NSFWフラグを設定すること」のみであり、「CWを設定すること」ではない。 つまり、これは一部のユーザーが勝手に主張している「界隈のマナー」に過ぎない。*5

こういう動きがある以上、運営はこうしたマナーの暴走に対して何か言っておく必要があると思うのだが、僕が知る限り、この件に関して運営が何かを表明したことはない。(2023/04/16追記:この記事を公開して数時間後に、NSFWコンテンツに対する投稿規則が改定された。センシティブなイラストについては従来通りNSFWフラグの設定のみで可能、センシティブな文言を含むpostについてはCWを設定することが明文化された。サーバーの規則がユーザーの権利を阻害する方向へと改定されなかったのは英断だと思うが、この件が示すように.ioの規則は水物であり、安定とは程遠い。今後声の大きい奴が勝つようなエセ民主主義に陥っていかないとは限らないので、楽観視は禁物である)

それどころか線引きが全く不透明な禁止ワードのマスク機能を実装し、禁止ワードを含むpostは強制的にホームタイムライン限定公開になる仕様になってしまった。こういう状態だからこそマナーは暴走しっぱなしであり、(Mastodonに比べれば格段に機能しているとはいえ)検索機能がやや弱いMisskeyでNSFWコンテンツを含むpostを探すのは次第に困難になりつつある。(2023/04/16追記:11日時点で、原則的に公開範囲を限定して投稿できる「チャンネル」《twitterでは「サークル」に相当》機能を検索する機能が実装されていた。今まではチャンネル検索を外部サービスに頼っていたので、検索性は大きく改善している。この追記を書いている現在、post本文の検索機能を高速化するアップデートが行われているので、検索機能は今後も拡充していくものと思われる)

以前にも書いたが、僕からエロコンテンツを引けば何も残らない。僕は文字通りエロコンテンツに救われたからこそ生きているのだし、僕が出力するものが、どうにかしてあの頃の僕のような存在を救ってくれればいいと思って出力しているのだ。その動機に関しては誰にも文句を言わせるつもりはない。

僕はエロコンテンツを見たいし、エロコンテンツを見てほしいのである。そこには最低限必要なルール以上のものを差し挟んでほしくはない。それを見られることによって救われる誰かは確実にいるはずだからだ。

 

 

セルフリノート

前述のように、Misskey.ioのローカル・ソーシャルタイムラインは「濁流」と称されるほど流れが速い。その一方で、twitterなどのように、1つのpostをリツイート(Misskeyではリノートと呼ばれる)する回数に限度があるわけではない。同じpostを何度でもタイムラインに流すことが可能なのだ。

よって、自分が他のユーザーに見てほしいと思うpostを自分でリノートする行為、所謂セルフリノートを行うことが常態化している。twitterでもセルフリツイートをすることは可能だったが、一般的なMisskey.ioユーザーのそれは比較にならない。日に2度3度、時には1時間に1回セルフリノートを行うユーザーなどもいる。

ローカル・ソーシャルタイムラインだけを見ているのなら、それほど気になるものでもないのだろう。何といっても情報の濁流だからだ。しかしながら、Misskeyにも勿論「フォロー」という概念があって、フォローしているアカウント・コミュニティだけを表示してくれるホームタイムラインというものがある。問題はこちらのタイムラインを見ているユーザーに起こるのだ。

当然ながら、ホームタイムラインにもリノートは表示される。すると何が起こるのかというと、四六時中「もう見たpost」が何度も何度も表示されてくるのである。Mastodonと同じようにMisskeyにも「見たことのあるリノートを省略表示する」という設定オプションがあるが、Misskeyの「見たことある/ない判定」はリアクションシューティングを行ったかどうかと紐付けられているため、相対的に「リアクションシューティングをしたくもないようなどうでもいい情報」「あまり見たくない情報」だけが何度も何度も表示されることになるのである。

セルフリノートを頻繁に行うアカウントをフォローしてしまうと、ホームタイムラインはまず読めたものではなくなる。膨大な数のリノートに押し流され、フォローしているアカウントのpostなどはどこかへ行ってしまう。落ち着いてpostを読みたいからホームタイムラインを見ているはずなのに、ノイズが多くて目的の情報へ辿り着けないのでは本末転倒だ。

言い添えておくと、twitterではかなり初期から普通に実装されている「リツイートを表示しない」機能(Misskeyでは『リノートミュート』と呼ばれる)はつい先日実装されたばかりである。なお、リノートミュートをONにすると、当然のように通常のリノート・セルフリノートの別なくリノートと名の付くものはすべて非表示になる。これでは「自分以外の人の興味関心に触れて見識を広げる」というSNSの魅力を半分スポイルしているようなものだ。

ちなみに書いておくと、Misskeyは開発が始まって今年で4年目らしい。意外と長くてびっくりした人もいるのではないか。僕もびっくりした。それにしちゃ機能が片手落ちすぎるので。*6



風潮

きょうび分散型SNSにいるユーザーの殆どがそうであるように、Misskey.ioのユーザー達は平均してtwitterが嫌いである。又聞きの不正確な情報を無批判に垂れ流し、それが日に何度もリノートされて流れてくる。中にはtwitterユーザーに対するもはやヘイトスピーチの域に達しそうなほどドギツい揶揄も散見され、大量のリアクションを集めている。

その一方で、Misskeyそのものや.ioサーバーに対する批判、上述したような問題点に関する言及は無視される。

僕とてtwitterに関しては10年以上を費やしたという愛着以外には特別な感情を抱いてはいないが、何事にも限度というものはあろう。ここまで読んできた人は大体理解したと思うが、つまるところMisskey.ioはムラ社会なのである。

尤もSNSなんてものは開かれているようでいて実際には閉じたサークルであり、程度の大小こそあれすべて何かしら歪んでいるものだが、その中でも特にMastodonを嚆矢とした種々の分散型SNSはビッグテックへの反乱を旗印として生まれたものである分、反動的というか歪みが多く蓄積されている印象が強い。

僕がMisskeyを使ってみるにあたって.ioサーバーを選んだのは、運営が「分散型SNSではあるが、分散することを強く指向せず、そこに関してはフラットである」と明記していたからだ。

自分で言うのも恥ずかしいが、僕は多趣味である。写真を撮り、ギターを弾いて歌い、曲も書けば絵も描くし、このようにまとまった文章を出力することも好きだ。ミリタリーと変格推理小説、ホラー小説には目がないし、BC級ホラー映画愛憎家を自称している。

これら沢山の趣味嗜好を語るためにいちいちアカウントを分けたり、投稿先を変更したりなどするのは、僕にとっては手間でしかない。エレキギターの話とホラー映画の話くらいなら同時に進めてしまいたいのだ。ここだけの話、実は複数のアカウントを使い分けているのだが、それらも大雑把な括りでしか分けられていない。だからこそ、「何でも箱」として運用できるように.ioサーバーにアカウントを取得したのだ。

だが実際には複数のサーバーにアカウントを分けるユーザーが大半であり、僕のように何でもやることを標榜する人はあまり多くないというのが体感である。それは仮にも分散型SNSである以上、仕方のないことなのかもしれない。

しかしながら、ここでもマナーが暴走していて、端的に言って面倒くさいのである。我々は街中で撮ったくだらない写真ひとつ、そのままではローカルタイムラインに上げられない。コミュニティを使用することが強く推奨されているのだ。

ムラ社会では共同体への批判は勿論、自己言及においてもネガティブな物言いは許されない。僕は10歳から希死念慮のある筋金入りのネクラで性根もひん曲がっているため、口から出るのはほぼ冷笑と自己批判だけなのだが、この偉大なるMisskeyムラではそれは許されないのである。

ムラの住民達はtwitterの堕落はネガティブな物言いを受け入れ続けたために起きたと信じ切っており、ネガティブな物言いを極端に嫌う。潔癖症と言ってもよい。ローカルタイムラインをしばらく眺めてみれば分かる。流れてくるのはキラキラした綺麗事(とtwitterの悪口)ばかりであり、子供でも満足にやれるようなことをしたと報告しては「偉業」*7とリアクションを送りあう、眉間に皴が寄るような甘ったるい馴れ合いがその間隙を埋めている。

先に書いたように僕はネクラかつ性根がひん曲がっているため、綺麗事ばかりを見させられると怒りが蓄積していく。正論で世界が回るかよ、と毒づきたくなるのを抑えるのは正直言って困難である。

更に、住民はとにかく「Misskeyは沢山反応がもらえる温かいコミュニティである」ということを強調したがる。しかしながら、これも単なる彼らの共同幻想にすぎない。.ioサーバーは既に、限られたパイを取り合う市場である。Misskeyの各インスタンスの中では最大のユーザー数を抱えているのだから当然である。誰しもがここを目指し、レッドオーシャンの血の色は更に濃くなっていくのだ。MFM*8やカスタム絵文字を多用して、目を引くだけで可読性の低いpostを連投するユーザーに、拝金主義のtwitterが笑えるとでもいうのだろうか。

そして住民がそのようなプロパガンダを標榜するたびに、Misskeyではまともに反応がもらえない僕や、似た境遇の創作者達はダメージを負っているのだが、彼らはそれに気付くことはない。現実を見ることより甘い夢にすがっていたい連中である。



…と、このように散々な書きようだが、Misskeyはまだまだ不完全なサービスであり、毎日のように大型アップデートが入る。上述の問題が今後アップデートで改善する可能性は十分にあり、また開発者・運営者のフットワークの軽さには素直に頭が下がる思いである。

その一方で、ユーザー側の問題はなかなか改善が難しそうだ。

これを読んでいる人も、しょうもない部活のしょうもない空気感や、しょうもないオタクのしょうもない内輪ノリ、しょうもない仕事をしょうもない理由で片づけなければいけない不条理などを味わったことがあるのではないかと思う。現状のMisskey.ioには、それらがもう少し信仰に寄った形で横たわっていると思ってもらってよい。部活に、オタクサークルに、職場に疑義を呈する人間は必要とされていないのである。

もう少し人が増えて、そのような歪んだ選民意識が薄まればまた違ってくるとは思うが、現状では「楽しむことを強要される」、あるいは「狂人になることを強制される」サーバーであることに間違いはない。生活や社会に疲れ、自然体でいることが一番楽しく、またそれを求めている人間には、少々参入の心理的ハードルが高すぎる。

僕も初めの頃は楽しかった。postにリアクションがつくのも新鮮だったし、UIを自分が使いやすいようにカスタムできるのも魅力的だった。

しかしながら、それも数日のうちに色褪せた。ルールは恣意的に運用され、デマは人口に膾炙し、人々はレッテル張りと排斥に躍起だ。やっていることは何らtwitterと変わりないくせに、twitterを見下すことだけは欠かさない。

そんな中にいて、正気を保つほうが難しい。第一、彼の地には僕が培い保全してきた人間関係というものが何もない。新しいサービスに登録しているのだから当然と言えば当然だが、ゼロからスタートするしんどさと、コミュニティそのもののしんどさがダブルパンチで押し寄せる。

願わくば、twitterのフォロワー達がそっくりそのまま移住してきてくれればいいのだが。そんなことは叶わぬ夢だと分かっているからこそ、僕はこれを書かざるを得なかったのだ。




脚注

*1 Misskey.ioの管理者はDiscordの日本語ローカライズに参加した開発者のうちのひとりらしいので、Misskeyにも同様の機能があると書いたほうがより正確かもしれない

*2 まったく信じがたいが、これは本当にありふれた挨拶として膾炙している

*3 アカウントが作成されてから初めて投稿されたpostをリノートするbotが存在しており、大抵の場合そのbotに捕捉されてからリアクションシューティングが行われるため、このpostを行ったのが登録したばかりのアカウントであることは認識出来ていたはずである

*4 そのサーバーに所属するすべてのアカウントのpostが(特に公開範囲を指定されていない限り)すべて流れる仕様のタイムライン、通称「濁流」。分散型SNSではホームタイムラインよりもローカルタイムラインを見る使い方が主流と言えば主流

*5 .design、.artなどのサーバーはNSFWフラグの設定に加えて、CWの併用がルールとなっている

*6 尤も開発は個人規模であるので、あまり開発速度を求めるのは酷な話ではある

*7 さらに言えば、「偉業」のバリエーション絵文字だけで5つくらいある

*8 Markup language For Misskeyの略。Misskeyで使用できる専用のマークアップ言語で、簡単に言ってしまえば文字が飛んだり跳ねたり斜体になったり逆転したりボケたりして、可読性を著しく下げてくるステキ機能。当然だがこれは皮肉である

2023年3月31日金曜日

連絡先 2023/03/31(2023/07/25追記あり)

(2023/07/25追記)最新記事もご一読ください。

 

twitterのAPI規制に伴って、twitterをライフログとして運用するのが厳しくなることが予測されるので本格的に移行を考え始めています。

で、 いろいろな代替サービスにアカウントを取ったりしているので、それを一度まとめておくべきだと思いました。

しかしながら、現時点では"移行を考え始めている"というだけであって、これらのSNSやサービスに完全に移行する(twitterでの更新を終了する)つもりは今のところありません。どういう形になるにせよ、twitterの更新そのものは続く気がします。

 

Misskey.io

流行りのMisskey。外部ロガーサービスが使える上、検索性がそこそこいいのでかなり有力な移住先のように思えます。今のところ、ioサーバーは創作家用の他サーバーよりもNSFWコンテンツを投稿することのハードルが低いのでいいです。僕からNSFWを引いたらもう何も残らないので。
おそらく、進捗情報込みで牛野が出力する全てのイラストを見られるSNSになります。

 

Pawoo

Mastodonには今のところPawooサーバーにのみアカウントがあります。twitter上で仲良くしていた人が多く移住しているのはMastodonなんですが、Mastodonはサーバーごとの機能に依存するものの基本的には検索性が低く、自分の欲しいものも見つけられないし、自分の絵を見てもらうことも出来ないので本格的な移住先として考えるには少々しんどいものがあります。利点としては外部ロガーサービスが使えることくらい。
こちらも進捗情報込みで牛野が出力する全てのイラストを見られるSNSになります。
このアカウントは現状英語のみで更新しています。気分です。


一応貼っておきますが、更新頻度も低く、特に活発に活動しているわけでもなく、同人誌などの発行予定もないため、あまり見る意味はないと思います。最近で言えばAIイラストの件が記憶に新しいですが、ここの運営は10年以上前からズタボロで叩けば埃の出る体なので、僕はイラストの蒐集も他のサービスで行っていることが殆どです。


実はニジエにもアカウントがあります。サービスの性質上、NSFWならびにR-18のイラストのみ投稿しています。更新頻度は低いですが、pixivには投稿されていないものも投稿したりしています。pixivに比べ、透明度が高く小さいのが特徴です。何とは言いませんが。


USHINO ARCHIVES

ここです。ある程度しっかりした絵が描ければ、もしくは牛野が何かまとめて語りたいことがあれば更新しますが、基本的には更新頻度は低めで、進捗情報なども上がることはありません。ただし、ライフログとしての機能をtwitterに期待することが不可能になったため、サブカルチャーや所謂オタクコンテンツに対する感想のまとめや考察をここを使ってする可能性があります。このブログの更新情報はその他のSNS上でも共有されることがあります。
 
 

twitter

twitterです。現状非公開アカウントですが、数日中に鍵を外します。万一それ以前にフォローリクエストなどあれば原則許可します。今後の主な更新内容としては、ギターの話とケモエロのRT、イラストの投稿を予定しています。twitterでのみ、なくなります。何とは言いませんが。
当面の間は、今までの出力数を100だとすると70くらいの量の出力数になる程度だと思います。
基本的にはtwitterでもイラストの投稿は継続して行うつもりなので、進捗情報とかに興味がなければこちらを見ているといいと思います。


何かあればまた追記します。
 
 

2023/05/28 追記 

5月末にtwilogの運営が再開されたので、現状エロ絵を特に憚ることなく投げられるtwitterを差し置いて他のサービスに移住する意味が消滅しました。

別途記事にも書いたので分かっている人は分かっていると思いますが、Misskey.ioの同調圧力と内輪ノリに耐えられなくなったので、彼の地のアカウントは冷温停止としています。一応絵を描けば更新していますが、軸足を移すつもりは今のところ全くありません。なのでリンクを削除しておきました。見る意味はないし、僕をカスタム絵文字によるリアクションという暴力に晒してほしくないので。

実は上記のようにtwitterのアカウントを非公開化していたのはMisskey絡みのトラブルによるものだったので、そもそもあのSNSはイメージマイナスです。本当にしょうもないサービスです。言葉は本当に悪いんですが、女オタクサークルっぽいというか、自身の被害者性は疑わないくせに他者への加害性には無頓着なユーザーが気色の悪い同調圧力を振るっているので、そういうものが一番嫌いな僕は発狂しそうになりました。

ここ数ヶ月の移住騒動、分散型SNS狂騒曲には本当に消耗させられました…。ひとまずこれが一段落であることを願います。

2022年1月3日月曜日

HAPPY NEW YEAR 2022

 


明けましておめでとうございます。まさか次の更新がまるっと1年以上開くとは誰も思ってなかったんじゃないか。まともな絵を全然描かなかったとも言う。

牛野は一応ケモナーであるので、寅年とかいうおいしいイベは外したくなかったというのが本音です。まともな絵を描いてなさ過ぎて、ここらでちゃんと引き継ぎというか、技術資料的にまとまった絵を描いておかないとと思ったのもある。そしたら背景だけで満足に13時間かかった。馬鹿じゃねえの。

トラといえばうちのメスケモおねーさんのヘスターの姐御。描き始めてから設定上ホワイトタイガーだったことを思い出したというこの体たらく。いや、今まで一度たりともカラーイラストを描いたことがなかったので…(言い訳)

そんなわけで、今年の抱負は「比較的質の高い生存」です。どうぞよしなに。